小向さんの逮捕罪名について

小向美奈子さんに対して,覚せい剤の譲り受け事実で警視庁が逮捕状の発付を受けたということですが,報道によると,その逮捕罪名が覚せい剤取締法違反ではなく,麻薬特例法違反のようです。これはどういうことか?

麻薬特例法は,覚せい剤取締法や麻薬取締法などの特例法で,特別法の関係があり,組織的な密輸や業として行う薬物取引をより厳しく処罰しようとするものです。

この麻薬特例法では,例えば,覚せい剤を業として譲り渡したり,譲り受けたりすると,5年以上の懲役となり,通常の譲り渡し罪,譲り受け罪(10年以下)よりも重いです。

小向さんは,覚せい剤取締法違反としての覚せい剤譲り受けではなく,麻薬特例法違反としての覚せい剤譲り受けですから,「業として」行ったという証拠が存在する可能性があります。

「業として」とはどういう意味かというと,何回も継続してという意味です。たとえば,仲介役のような人間が何度も継続的に覚せい剤を密売人から入手して他に譲渡するとか,そのようなケースです。

小向さんが仲介役とは思えませんが,譲り渡し人であるイラン人の携帯電話に多数回,小向さんの電話記録が残っていた可能性はあります。



更に詳しく知りたい方は「覚せい剤・大麻など薬物の逮捕」をお読みください。

「司法制度」に関連する記事

念頭に思うー近代合理主義の功罪

エマニュエル・カントに代表される近代合理主義思想にあって,「目的」と「手段」の概念的な分離は近代社会樹立にとても重要な役割を果たしていると思う。 カンティアンの神髄は,私もそうであるけど,道徳的に自立した存在である他人を「手段」にしてはならず,それ自 ...

READ MORE

大阪地検特捜部検事が証拠改ざん?

今日の朝日新聞朝刊のスクープで,元厚労省局長の郵便不正事件に関し,大阪地検特捜部の主任検事がFDの最終更新日時を改ざんしていたと報道されました。 信じられないことです。検事調書の「作文問題」とは比較にならないほどのスキャンダルだと思います。FDという ...

READ MORE

裁判員の心理的ケア

福島地裁郡山支部で裁判員として強盗殺人罪を審理後,「急性ストレス障害(ASD)」と診断された60代女性が,慰謝料などを求めた国家賠償請求訴訟の第1回口頭弁論が24日,福島地裁で開かれる。女性は「このような苦しみを味わうのは私で最後にしてほしい」との思 ...

READ MORE

高検による監督で冤罪は防げるか

【元厚労局長 起訴は誤り】―最高検 資料改ざんで検証結果 元厚生労働省局長の無罪が確定した郵便料金不正事件や大阪地検特捜部による捜査資料改ざん・隠蔽事件について最高検は24日,検証結果報告書を公表した。元局長の捜査について「逮捕の判断に問題があり,起 ...

READ MORE
代表弁護士・元特捜検事 中村 勉
中村 勉 代表弁護士・元特捜検事

長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

詳細はこちら
よく読まれている記事
カテゴリー