法科大学院7校「改善進まず」 中教審の特別委調査
今日は「法科大学院」に関する記事です。
中教審の法科大学院特別委員会は24日、入学者数の減少など深刻な課題を抱える法科大学院を対象にした2013年度調査で、12校に「重点的な改善が必要」と指摘した。このうち既に学生の募集停止を決めた5校を除く7校はいずれも「前年度から改善が進んでいない」とした。
7校の内訳は国立が香川大と鹿児島大、私立が白鴎大(栃木)、日本大(東京)、愛知学院大、京都産業大、久留米大(福岡)。特別委は、入学者数が低迷していることや教育体制が十分に整っていない点を課題として挙げた。
「継続的な改善」を求めたのは静岡大など20校。学生募集の停止を決定または検討中の4校を除く16校のうち、司法試験の合格状況などで「大幅な改善がある」と評価されたのは琉球大(沖縄)と青山学院大(東京)の2校のみ。残りの14校は一層の改善が必要とした(2014/2/24 20:32 日本経済新聞/共同)。
2004年4月より開始した現行の法科大学院制度は,開始当初は3万9350名の志願者を集めました。しかし,2014年度の志願者は5377名にとどまっており,この10年間で実に7分の1にまで激減しています。また,学生はより合格率の高い法科大学院に進学しようとするため,志願者が特定の法科大学院に集中しています。
その結果,法科大学院は二極化が進み,記事にあるように合格率の低い法科大学院は,現在非常に厳しい立場に置かれています。
先日,新たにこのような記事が出ました。
15年度から学生募集停止 東海大法科大学院
東海大が東京都渋谷区にある法科大学院の学生募集を2015年度から中止することが25日、分かった。入学者数の減少に歯止めがかからないためで、学内手続きを経て文部科学省に届け出る。
東海大法科大学院は04年に開設された。昨年の司法試験合格者はゼロで、文科省は14年度の補助金削減を決めている(2014/2/25 10:21日本経済新聞/共同)。
今回,東海大学が募集停止を決定したように,現在までに既に11校の法科大学院が募集停止等を行っています。そして,本記事の内容からすると,今後もしばらくは法科大学院の統廃合は続いていくのかも知れません。
およそ10年前にスタートした法科大学院制度ですが,いま大きな転換期を迎えています。以前,当ブログで,司法試験制度が2015年から変更される可能性についても言及しました。これからの法科大学院制度,ひいては法曹養成制度をいかに考えるべきでしょうか。今後の法曹制度の在り方について,いまの現状を真摯に受け止め,慎重かつ十分な議論がなされることを望みます。