適塾としてのNICDサマーアソシエイト制度

NICDでは,創設以来,サマーアソシエイト制度を実施していて,これまでに確か18人ほどのOBを送り出しています。
4大等の同種制度と違って,研修期間は比較的長く,第1期などは丸々2か月間,最近でも2週間となっています。
しかも,NICDのサマーアソシエイトでは,弁護士志望だけではなく,検事志望,裁判官志望の皆様にも広く門戸を開いています。
現に,これまでOBから3名の検事任官者を出し,各地検で活躍しています。

NICDのポリシーなのですが,「刑事弁護にイデオロギーや党派性はない」という考えを基調にしています。
サマーアソシエイト制度を幕末の私塾に例えるなら,NICDは松下村塾ではなく,適塾です。
松下村塾は吉田松陰先生の水戸学イデオロギーが色濃く反映されていて,出身者はすべて尊王攘夷派から出発しています。
ところが,緒方洪庵先生の適塾は,西洋医学の合理性追及や自由闊達な塾風からバラエティに富んだ人材を輩出し,福沢諭吉や大鳥圭介のような開国派もいれば,大村益次郎のような攘夷主義の長州に与するものも輩出したのです。
NICDサマーアソシエイト私塾も,検事のような官軍も輩出し,それと対峙する新撰組隊士のような刑事弁護士を輩出し,そして,爽やかに法廷で対決させたいものです。

NICDのサマーアソシエイト制度は,もちろん,NICDリクルートの登竜門でありますが,このように,ある種の公共性のある教育機関と考えています。
いつの日か,OBが日本の刑事司法に大きな影響を与えるような,そのような私塾となるよう,夢を描いています。

なお,NICDのサマーアソシエイトは成績優秀な逸材を毎年採用していますが,NICDでアルバイトに従事し,汗を流した忠誠心高い苦労人(?)学生にも一定の採用枠を設けており,これまでアルバイトから2名ほどサマーアソシエイトに採用され,うち,1名は司法試験合格を果たしています。

中村

「司法制度」に関連する記事

確定記録の開示に関する最高裁決定

平成27年10月27日,最高裁第2小法廷で,刑事確定訴訟記録法4条1項ただし書、刑訴法53条1項ただし書にいう「検察庁の事務に支障のあるとき」と関連事件の捜査や公判に不当な影響を及ぼすおそれがある場合に関し,重要な決定が出ました(小貫芳信裁判長)。 ...

READ MORE

尖閣諸島ビデオ映像の流出は罪か

尖閣諸島漁船衝突事件をめぐる映像流出事件で,検察庁や警視庁が捜査を始めました。那覇地検が政治的配慮により容疑者の船長を,半ば超法規的に釈放帰国させた以上,同事件のビデオ映像は,捜査資料という性質を超えて,政治性を帯びてきます。現に,野党を問わず全面公 ...

READ MORE

新撰組とNICD

刑事弁護は,何よりもスピードが命である。 夜中に家族から相談電話が入り,身内が逮捕されたとの報に接したときには,当日朝には,家族面談を実施して事件見通しなどについて助言し,弁護人選任届,身柄引受書等の必要書類を作成して,検察庁刑事部の事件係に一報を入 ...

READ MORE

勾留実務は最高裁決定で変わるか

今日は,「勾留請求の却下と裁判所の姿勢」に関する注目記事です。  逮捕した容疑者について検察が身柄拘束の継続を求める「勾留請求」を裁判所が認めない割合が年々増えている。10年前まで1千件に1件程度だったが、2010年に100件に1件を超え、13年まで ...

READ MORE

ロンドンからのたより

部屋の片づけをしていたら,懐かしい手紙を発見しました。昔,16年前になりますが,検事のときに行政官短期在外研究で英国ロンドンに滞在して調査研究していたときに,所属庁であった名古屋地検刑事部に送った手紙です。 ——— ...

READ MORE
代表弁護士・元特捜検事 中村 勉
中村 勉 代表弁護士・元特捜検事

長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

詳細はこちら
よく読まれている記事
カテゴリー