刑事弁護士(Criminal Defense Lawyer)とは
刑事弁護士(Criminal Defense Lawyer)とは何者か。
刑事弁護士が扱う刑事事件は、最後は「和解」でお茶を濁す民事事件とは異なる。
執行猶予か,それとも実刑か。懲役16年か,それとも無罪か。ときには、死刑か,それとも無罪か。
そうした二者択一の極限状態で戦うのが刑事弁護士である。
刑事弁護士が戦う相手は検察である。
検察は刑事弁護士の敵であり、宿命のライバルでもある。
検察が謙信なら刑事弁護士は信玄であり,検察がロンメルなら刑事弁護士はパットンである。
「戦車対戦車」の気概をもって戦うのが刑事弁護士である。
だから、刑事弁護士は、常に検察官を意識しなければならない。
秋霜烈日の検察官を見て,わが身を正す。
検察官から見て、弱く見えやしないか。
卑怯・姑息に見えやしないか。
意気地なしに見えやしないか。
検察官と同じように正々堂々としているか。
検察官と同じようにいつも牙を磨いているか。
検察官のように質素倹約に生きているか。
4大・ブルジョア弁護士のように,奢侈淫佚にふけってはいないか。
検察官に負けず劣らず質実剛健か。
刑事弁護士は、クライアントが命をかけるなら自らの命をかけなけばならないときもある。
だから、刑事弁護士は、第1に、タフでなければならない。
また、自己に厳しくなければならない。
しかし、刑事弁護士の峻厳さは、他者に対する慈悲と慈愛に裏づけされていなければならない。
中村 勉