尖閣諸島ビデオ映像の流出は罪か

尖閣諸島漁船衝突事件をめぐる映像流出事件で,検察庁や警視庁が捜査を始めました。那覇地検が政治的配慮により容疑者の船長を,半ば超法規的に釈放帰国させた以上,同事件のビデオ映像は,捜査資料という性質を超えて,政治性を帯びてきます。現に,野党を問わず全面公開すべきという声は一部に強かったものです。しかし,菅政権は対中関係に配慮して公開しなかった。中国のご機嫌を伺う弱腰外交に対し,義憤に駆られた者が国民の知る権利に答えるために公開に踏み切った,これは国家公務員法違反という「法律」に反する行為でしょうが,「罪」に問えるのか。今回の流出行為に刑罰法令を適用して保護しようとしている法益は,日本国家の法益ではなく,中国の法益ではないのか。中国をおもんばかっての「見せしめ」ではないのか。漁船長を釈放して,この流出者を処罰するのは道理にかなわないのではないか。
かつて藤本ペルー元大統領が日本に亡命したとき,大使館占拠事件で日本国民の生命を守った藤本氏を,どんな理由があろうとも手渡しはしない,と言った法務官僚がいましたが,今はそんな義侠心ある人材は法務・検察にはいないのでしょうか。

とても興味のある事件です。

「司法制度」に関連する記事

示談の利益を奪う千葉地検の事件処理

千葉地検刑事部では,ここ最近,痴漢等の条例違反事件で,送検時の在庁略式罰金処分が目立つ。 在庁略式は,従前,住居不定の者など,のちに出頭確保が困難な者や罰金命令が郵送で届かない者について行われる慣行であった。 それが,千葉地検刑事部では住居のしっかり ...

READ MORE

大阪地検公判部長・副部長は何をしていた?

郵便不正事件に絡んだFD改さん疑惑報道を見るにつけ,大阪地検公判部の部長・副部長は一体何をしていたのかと思います。 報道によれば,この事件の公判担当検事が特捜部副部長を庁舎に呼びつけて,故意による改ざんの可能性があると直訴したというではないですか。 ...

READ MORE

司法試験「5年で3回」を「5年で5回」に緩和

今日は「司法試験制度」に関する記事です。      政府は、司法試験の受験回数制限を現行の「5年で3回」から「5年で5回」に緩和することを柱とした司法試験法改正案を、1月召集の通常国会に提出する方針を固めた。司法試験の合格者数の増加につながりそうだ。 ...

READ MORE

薬物依存者等に対する刑の一部執行猶予制度について

弊所では,覚せい剤,大麻,麻薬などの薬物事件を多数担当しています。現在の日本の刑事司法においては,薬物の使用や所持といった薬物事件の初犯者であれば,起訴されて裁判所で審理を受ける場合でも,懲役1年6月,執行猶予3年といった刑が科され,社会復帰できるこ ...

READ MORE

いざアメリカへ

僕が司法試験に合格したのはもうずいぶん昔になる。 合格した当時は,弁護士志望であって渉外事務所で国際案件に携わってみたいという夢があった。 あるいは,当時まだバブルの余韻もあったからなのか,ブル弁(ブルジョア弁護士)になって不動産専門弁護士!になって ...

READ MORE
代表弁護士・元特捜検事 中村 勉
中村 勉 代表弁護士・元特捜検事

長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

詳細はこちら
よく読まれている記事
カテゴリー