尖閣諸島ビデオ映像の流出は罪か

尖閣諸島漁船衝突事件をめぐる映像流出事件で,検察庁や警視庁が捜査を始めました。那覇地検が政治的配慮により容疑者の船長を,半ば超法規的に釈放帰国させた以上,同事件のビデオ映像は,捜査資料という性質を超えて,政治性を帯びてきます。現に,野党を問わず全面公開すべきという声は一部に強かったものです。しかし,菅政権は対中関係に配慮して公開しなかった。中国のご機嫌を伺う弱腰外交に対し,義憤に駆られた者が国民の知る権利に答えるために公開に踏み切った,これは国家公務員法違反という「法律」に反する行為でしょうが,「罪」に問えるのか。今回の流出行為に刑罰法令を適用して保護しようとしている法益は,日本国家の法益ではなく,中国の法益ではないのか。中国をおもんばかっての「見せしめ」ではないのか。漁船長を釈放して,この流出者を処罰するのは道理にかなわないのではないか。
かつて藤本ペルー元大統領が日本に亡命したとき,大使館占拠事件で日本国民の生命を守った藤本氏を,どんな理由があろうとも手渡しはしない,と言った法務官僚がいましたが,今はそんな義侠心ある人材は法務・検察にはいないのでしょうか。

とても興味のある事件です。

「司法制度」に関連する記事

教室で盗撮疑い、高校生書類送検 京都で条例初適用

今日は,「京都府での盗撮」に関する記事です。  高校の教室内で同級生を盗撮したとして、右京署は24日、京都府迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで、京都市伏見区の高校3年の男子生徒(17)を書類送検した。学校や職場での盗撮行為の規制を盛り込んだ4月施行 ...

READ MORE

勾留実務は最高裁決定で変わるか

今日は,「勾留請求の却下と裁判所の姿勢」に関する注目記事です。  逮捕した容疑者について検察が身柄拘束の継続を求める「勾留請求」を裁判所が認めない割合が年々増えている。10年前まで1千件に1件程度だったが、2010年に100件に1件を超え、13年まで ...

READ MORE

ピンクパンサー逮捕・送還

銀座の宝石店の強盗傷害事件の容疑者として,国際窃盗団”ピンクパンサー”のメンバーがスペインで身柄を拘束され,日本に送還されました。 スペインと日本との間には犯罪人引渡条約は締結されておらず,外交ルートを通じての送還の実現でした。 実は,日本が現在,犯 ...

READ MORE

押尾学裁判

押尾学被告人の裁判が佳境を迎えつつあります。 報道を見る限りでの感想ですが,次のようなことが言えます。 ① 検察官は押尾被告人の事後的な偽装工作からその証言の信用性を弾劾していますが,裁判官・裁判員にかなり効果的だと思います。そこから伺われる保身と無 ...

READ MORE

「リベンジポルノ」に「懲役3年」 自民、今国会提出目指す

今日は,「リベンジポルノ」に関する記事です。 自民党は9日、元交際相手らの裸の画像などをインターネット上に流出させる「リベンジ(復讐)ポルノ」問題に関する特命委員会を開き、最高「懲役3年以下」の罰則を盛り込んだ新法案の概要をまとめ、了承した。公明党や ...

READ MORE
代表弁護士・元特捜検事 中村 勉
中村 勉 代表弁護士・元特捜検事

長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

詳細はこちら
よく読まれている記事
カテゴリー