弁護士としてのやりがい

検事と弁護士の仕事の違いで一番大きなものは何かというと、弁護士は依頼者から報酬をいただくという点だと思う。検事にもある意味「依頼者」はいる。それは、相談を持ちかけてくる警察であったり、被害者であったり、被害者の代理人弁護士であったりする。でも、検事は報酬を「依頼者」から貰うこともなければ請求することもない。

弁護士は、これは民事も刑事も同じだけど、やはりそのやりがいは依頼者に喜んでもらうことでしょう。
「この弁護士に頼んで良かった。」と思われることが最大のやりがいだと思う。
報酬も喜んで払ってもらえること、弁護士の仕事に見合った報酬であると理解し、納得してもらえること。「顧客満足」というのが最も大切なことだと思う。

ある意味、弁護士の仕事の評価というのは曖昧なもの。この弁護士をつけたからこそこういう裁判の結果が得られたと満足してもらえる場合もあれば、「弁護士をつけなくても同じ結果だった。」、「同じ結果であったのだから弁護士料、もったいなかった。」と思われることもある。とくに刑事事件では、検事も裁判官もそれなりに被疑者・被告人の利益に配慮するので、余計、弁護士の仕事の評価が難しい。
いい結果を出しても、依頼人に「弁護士をつけなくても結果は同じだったのではないか。」と思われることは弁護士にとっては一番つらい。一生懸命頑張ってもそう思われたら、ゼロと同じです。

弁護士の仕事の質・量と結果との因果関係がはっきりしないのが弁護士の仕事の特色でしょう。医者であれば、外科手術によって病気が治ったというはっきりした因果関係が分かるのと対照的です。でも、だからこそ「顧客満足」を得られる仕事をする弁護士というのは凄いと思う。そういう弁護士を目指したい。

「刑事弁護」に関連する記事

被害者匿名の起訴状の是非

今日は「被害者の匿名記載」について考えてみます。 強制わいせつ事件の起訴状で,東京地検が被害児童を保護するため氏名を伏せたところ,東京地裁が記載を命じていたことが13日,関係者への取材で分かった。地検は応じず,地裁と協議しているが,起訴状の不備を理由 ...

READ MORE

被害者救済と加害者のしょく罪

次のような記事がありました。 不要になった本を寄付してもらい、本来の買い取り額を犯罪被害者やその家族への支援金に充てる取り組みが進んでいる。 「本(ホン)」で「輪(リング)を広げよう」との意味を込めて「ホンデリング」と名付けたこの活動は、スタートから ...

READ MORE

個人の刑事責任,厳密判断 漁船の航跡,疑問残れば被告有利に

こんにちは。先日のブログでは,梅雨なのに雨がなかなか降らないなんて話しておりましたが,ようやく雨が降りましたね。これでやっと季節の移り変わりを,肌で感じることができそうです。梅雨といえば,紫陽花。紫陽花ほど雨が似合う花もありませんよね。曇天の薄暗い街 ...

READ MORE

望ましい検事のあり方

年末に検事正が検事部屋を巡回している。 熱心に仕事をしている新任検事がいた。 検事正は,新任検事に「何をしている。」と聞く。 すると新任検事は「事情聴取の呼出し手続です。」と答える。 すると,検事正は,いきなり 「馬鹿め!」と怒鳴った。 新任検事はな ...

READ MORE

東京志向に思う

後藤貞人先生,下村忠利先生,秋田真志先生,鈴木一郎先生,亀石倫子先生。。。 大阪には名だたる大物スター刑事弁護士がいるのに,どうして東京の事務所で刑事弁護のサマーアソシエイトを受けたいと思うかなあ? 皆さん,東京が好きなんですね。刑事弁護なら大阪なの ...

READ MORE
代表弁護士・元特捜検事 中村 勉
中村 勉 代表弁護士・元特捜検事

長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

詳細はこちら
よく読まれている記事
カテゴリー