今年苦杯を舐めた全ての秀才達へ
なかなか人生は上手くいかぬものである。
きっと打ちひしがれていることでしょう。或る者はロースクールなんかに進学しなければ良かったと後悔し、或る者は、一足先に社会人生活をスタートさせた友人に引け目を感じ、また或る者は、同級生が結婚し、人生の幸福を噛み締めているその姿を恨めしく思う。
ああ、なぜ神は自分ばかりに罰を与えるのか、と神を呪っていることでしょう。
きっと、諸君は、くたびれて、くたびれて、もう気力も勇気も枯れ果てているかもしれない。
来年試験を受けても受かる確証がない、自信がない、怖くて震えが止まらない。
しかし、逆境にあってこそ、くたびれてはならない。その姿は最もみっともない姿だからである。
人は幸せの絶頂にあるとき、絶対に、このようにして「くたびれることはない」。くたびれる、という感覚さえすっかり忘れている。人は幸せの絶頂にあって「くたびれない」ようにすることはいとも簡単である。それこそが幸せであり、成功であり、「満足」の正体なのだ。
だからこそ、逆境にあってこそ、くたびれてはならない。
逆境の中では今だに恐怖の感覚と同居し、安らぎや安定の対局に精神は宿っている。しかし、これは生きている証しに他ならない。全身の細胞が戦闘状態にあり、有事にある。「満足」はある意味「停止」であり、「死」である。
優秀で、勇気に満ち溢れた諸君は、その逆境にあって、今生きている。
進め。不幸せなときにこそ、くたびれずに進め。