良い起訴状と変な起訴状

私が検察官であったころ,事件捜査に携わり,証拠を収集して被疑者を起訴していましたが,よく決裁官の指導検事に

「良い起訴状というのは安心だ。一読してなるほどそういう事件かと思わせる起訴状が良い起訴状だ。これは安心して決裁できる。しかし,一読して変な起訴状は心配だ。そんな変な起訴状は,大抵,事件の筋を見誤っているか,捜査が足りていない。」

などとよく言われていました。これは当たっていると思います。

起訴状だけでなく,判決も同じです。

南馬込放火殺人事件の判決は,いかにも変な判決文です。その要旨は:

「被告人は,被害者に対し,殺意をもって,被告人自身の服に火をつけて被害者に抱きつくか,または,被害者の服に火をつけてそれに被告人自身が抱きついて,被害者を殺害した」

なんですか,これ????

私の決裁官だった上司の検事であったら,絶対に決裁を与えない類のものです。

「司法制度」に関連する記事

押尾学裁判

押尾学被告人の裁判が佳境を迎えつつあります。 報道を見る限りでの感想ですが,次のようなことが言えます。 ① 検察官は押尾被告人の事後的な偽装工作からその証言の信用性を弾劾していますが,裁判官・裁判員にかなり効果的だと思います。そこから伺われる保身と無 ...

READ MORE

国際指名手配について

今日は,「国際指名手配」について書きます。 国民健康保険の海外療養費をだまし取ったとして,警視庁は25日,東京都世田谷区弦巻,バングラデシュ国籍の調理師アミン・ショリフ被告(45)(詐欺未遂罪などで起訴)を詐欺容疑で逮捕した。 同庁は,同じ手口で海外 ...

READ MORE

教室で盗撮疑い、高校生書類送検 京都で条例初適用

今日は,「京都府での盗撮」に関する記事です。  高校の教室内で同級生を盗撮したとして、右京署は24日、京都府迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで、京都市伏見区の高校3年の男子生徒(17)を書類送検した。学校や職場での盗撮行為の規制を盛り込んだ4月施行 ...

READ MORE

いざアメリカへ

僕が司法試験に合格したのはもうずいぶん昔になる。 合格した当時は,弁護士志望であって渉外事務所で国際案件に携わってみたいという夢があった。 あるいは,当時まだバブルの余韻もあったからなのか,ブル弁(ブルジョア弁護士)になって不動産専門弁護士!になって ...

READ MORE
代表弁護士・元特捜検事 中村 勉
中村 勉 代表弁護士・元特捜検事

長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

詳細はこちら
よく読まれている記事
カテゴリー