良い起訴状と変な起訴状

私が検察官であったころ,事件捜査に携わり,証拠を収集して被疑者を起訴していましたが,よく決裁官の指導検事に

「良い起訴状というのは安心だ。一読してなるほどそういう事件かと思わせる起訴状が良い起訴状だ。これは安心して決裁できる。しかし,一読して変な起訴状は心配だ。そんな変な起訴状は,大抵,事件の筋を見誤っているか,捜査が足りていない。」

などとよく言われていました。これは当たっていると思います。

起訴状だけでなく,判決も同じです。

南馬込放火殺人事件の判決は,いかにも変な判決文です。その要旨は:

「被告人は,被害者に対し,殺意をもって,被告人自身の服に火をつけて被害者に抱きつくか,または,被害者の服に火をつけてそれに被告人自身が抱きついて,被害者を殺害した」

なんですか,これ????

私の決裁官だった上司の検事であったら,絶対に決裁を与えない類のものです。

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中村 勉 代表弁護士・元特捜検事

長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

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