良い起訴状と変な起訴状

私が検察官であったころ,事件捜査に携わり,証拠を収集して被疑者を起訴していましたが,よく決裁官の指導検事に

「良い起訴状というのは安心だ。一読してなるほどそういう事件かと思わせる起訴状が良い起訴状だ。これは安心して決裁できる。しかし,一読して変な起訴状は心配だ。そんな変な起訴状は,大抵,事件の筋を見誤っているか,捜査が足りていない。」

などとよく言われていました。これは当たっていると思います。

起訴状だけでなく,判決も同じです。

南馬込放火殺人事件の判決は,いかにも変な判決文です。その要旨は:

「被告人は,被害者に対し,殺意をもって,被告人自身の服に火をつけて被害者に抱きつくか,または,被害者の服に火をつけてそれに被告人自身が抱きついて,被害者を殺害した」

なんですか,これ????

私の決裁官だった上司の検事であったら,絶対に決裁を与えない類のものです。

「司法制度」に関連する記事

「自分がやった」殺人の夫をかばった妻、不起訴

今日は「犯人隠避」に関する記事です。 東京地検立川支部は4日、東京都町田市、無職O容疑者(48)を殺人罪で東京地裁立川支部に起訴した。起訴状などによると、O容疑者は今年1月、八王子市のマンションの一室で、この部屋に住む男性(当時63歳)の首を両手で絞 ...

READ MORE

釈放理由としての「日中関係を勘案」

尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で,那覇地検が容疑者の船長を釈放しました。船長は中国政府チャーター機で本国に凱旋し,ピースサインをして英雄となりました。 とんでもない話ですが,政治問題は置いておいて,釈放根拠を考えましょう。 逮捕後の勾留は最初が10日 ...

READ MORE

「戦車 対 戦車」

平成21年5月,裁判員裁判が始まりました。 それまでの数年間,検察庁は,国家的プロジェクトとして組織的に裁判員裁判対策に取り組んでいました。それに対し,相変わらず個人商店のままの刑事弁護人との闘いは,「戦車 対 竹槍」に例えられる状況にありました。 ...

READ MORE

新撰組とNICD

刑事弁護は,何よりもスピードが命である。 夜中に家族から相談電話が入り,身内が逮捕されたとの報に接したときには,当日朝には,家族面談を実施して事件見通しなどについて助言し,弁護人選任届,身柄引受書等の必要書類を作成して,検察庁刑事部の事件係に一報を入 ...

READ MORE

犯人蔵匿罪

徳島県警は10月20日、2001年の徳島市の父子殺害事件で指名手配し,ポスターを作って行方を追っていたK容疑者(52)が、岡山市で19日に死亡したと発表した。   岡山県警によると、K容疑者とパート従業員の女性(67)は,岡山市内の飲食店で知り合い, ...

READ MORE
代表弁護士・元特捜検事 中村 勉
中村 勉 代表弁護士・元特捜検事

長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

詳細はこちら
よく読まれている記事
カテゴリー