南馬込放火殺人事件―判決,そして控訴

主任弁護人として関わっている南馬込放火殺人事件の判決が3月25日,東京地裁刑事12部で言い渡されました。
無罪主張を退け,懲役16年(求刑同20年)という不当な判決で,本日,当然のことながら控訴を申し立てました。

判決理由の中では,証人に立った警察官2名の偽証を認定し,うち警察官1名の証憑隠滅も認定している上,目撃証人の偽証を認定しているので,検察が「事実誤認」で控訴するかどうかその動きを注視すべきでしょう。

検察内では,量刑について「結果オーライ」で控訴しない,という大勢となるかもしれませんが,目撃者や警察官が偽証等として認定された判決を控訴せず,この者らに対する犯罪捜査もしないというのは,犯罪者擁護も等しく,後で,これらの者が偽証,証憑隠滅,放火殺人等で告訴された場合の処理に困ることになるでしょう。

ところで,何故,マスコミは,この証拠偽造や偽証に関する報道をしないのでしょう?前田検事事件とまったく同じ性質のスキャンダルなのに全く報道がなされないのはどうしてでしょうか?
被告人が有罪となり犯人と認定されたから少しくらいの違法は目をつぶろうということなのでしょうか。

災害報道も大切ですが,国家権力に対する監視がマスコミの第一の使命ではないでしょうか?

「司法制度」に関連する記事

「戦車 対 戦車」

平成21年5月,裁判員裁判が始まりました。 それまでの数年間,検察庁は,国家的プロジェクトとして組織的に裁判員裁判対策に取り組んでいました。それに対し,相変わらず個人商店のままの刑事弁護人との闘いは,「戦車 対 竹槍」に例えられる状況にありました。 ...

READ MORE

司法試験「5年で3回」を「5年で5回」に緩和

今日は「司法試験制度」に関する記事です。      政府は、司法試験の受験回数制限を現行の「5年で3回」から「5年で5回」に緩和することを柱とした司法試験法改正案を、1月召集の通常国会に提出する方針を固めた。司法試験の合格者数の増加につながりそうだ。 ...

READ MORE

釈放理由としての「日中関係を勘案」

尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で,那覇地検が容疑者の船長を釈放しました。船長は中国政府チャーター機で本国に凱旋し,ピースサインをして英雄となりました。 とんでもない話ですが,政治問題は置いておいて,釈放根拠を考えましょう。 逮捕後の勾留は最初が10日 ...

READ MORE

刑事法ローヤーの35年前

恩師渥美東洋先生が亡くなって,しんみりしてしまいました。 古箱をひっくり返し,恩師の思い出を探していたら,昔父に出した手紙を掘り出しました。 消印は1979年8月28日。 今から35年前の「僕」だ。札幌の予備校の寮に入り,大学受験浪人生活をしていたこ ...

READ MORE
代表弁護士・元特捜検事 中村 勉
中村 勉 代表弁護士・元特捜検事

長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

詳細はこちら
よく読まれている記事
カテゴリー