刑事訴訟法等の一部を改正する法律案が提出!

平成27年3月13日,第189回通常国会において,「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」が提出されました。この法案は,昨年9月に,法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」が法相に答申し,その後,3月13日に内閣が閣議決定したものです。政府与党は今国会での成立を目指すとしております。以下にその法律案の概要を説明します。

1 取調べの録音録画制度の創設
 ①一定の重大犯罪につき,被告人等から,被告人供述調書につき,任意性なしの異議があった場合,検察官は,取調べの録音・録画をした記録媒体の取調べ請求しなければならない義務が創設された(301条の2第1項関係)。
 ②検察官は,一定の重大犯罪につき,被疑者を取調べるとき(弁解録取等も含む),録音・録画をしなければならない(301条の2第4項関係)。

2 証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の創設
 特定犯罪に係る被疑者・被告人と検察官等との間で,他人の刑事事件について,①被疑者・被告人が,真実の供述をすることや証拠収集への協力をすること,②検察官等が,公訴を提起しないこと,公訴を取り消すこと等の内容とする合意をすることができる制度が創設された(350条の2第1項関係)。
 この関係で,合意の手続,協議の手続,公判手続の特例,合意の終了,合意の履行確保手段等の規定が創設された。

3 刑事免責制度の創設
 検察官は,証人について,証人が刑事訴追を受け,又は有罪判決を受けるおそれのある事項についての尋問をする場合,あらかじめ裁判所に対して,証人の刑事事件において証人に不利な証拠とすることができないこと等の条件により行うことを請求できる制度が新設された(157条の2第1項関係)。証人尋問開始前の請求に加え,証人尋問開始後の免責請求も認められる(157条の2第2項関係)。

4 裁量保釈の判断に当たっての考慮事項の明確化
 裁量保釈の判断に当たって考慮すべき事情として,「保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか,身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上,経済上,社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情」と明記される(90条関係)。

5 弁護人による援助の充実化
 ①被疑者国選対象事件が,「勾留状が発せられている全ての被疑者」に拡大し(37条の2,37条の4関係),国選弁護人請求権等の教示について規定の整備を行う(203条4項,204条3項,207条2項関係)。
 ②弁護人選任権を告げるに当たっては,弁護士,弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならなくなる(76条2項等関係)。

6 証拠開示制度の拡充
 ①証拠一覧表の交付義務
 検察官は,検察官請求証拠を開示した後,被告人又は弁護人から請求があったときは,速やかに,被告人又は弁護人に対し,検察官が保管する証拠の一覧表を交付しなければならない(316条の14第2項関係)。
 ②公判前整理手続及び期日間整理手続の請求権の付与
 検察官,被告人又は弁護人は,裁判所に対し,事件を公判前整理手続又は期日間整理手続に付することを請求することができる(316条の2第1項,316条の28第1項関係)。
 ③類型証拠開示の対象の拡大(316条の15第1項関係)

7 犯罪被害者及び証人を保護するための措置
 ①証人等の氏名等の情報を保護するための制度の創設
 ②ビデオリンク方式による証人尋問の拡充

8 証人不出頭の罪等の法定刑の引上げ等
 ①証人不出頭及び先生拒絶等の罪の法定刑を,「10万円以下の罰金又は拘留」から「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」に引き上げる(151条,161条関係)。
 ②勾引要件の緩和(152条関係)

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長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

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