一昔前の陪審裁判

いよいよ5月21日に始まる裁判員制度ですが、実は、国民が刑事裁判に参加するのはこれが初めてではありません。大正デモクラシーの影響を受けて、大正12年4月18日に公布された陪審法に基づく陪審裁判がそれです。

現行の裁判員制度に対する国民の評判は必ずしも良いものではありませんが、一昔前の陪審裁判を報じる新聞記事を読んでみると、不思議なことに、牧歌的な当時の雰囲気が伝わってきます。

「被告が殺意を否認すれば、裁判長いよいよ事実取調べをなし犯罪事実を糾問する。被告は聞き取れないほどの低い声で答えるため、陪審員の顔には焦燥の色が濃い。中には倦怠を覚えてきたものもあり、かつ訊問が1時間になるので陪審員全部にだれ気分が漂い始めた。訊問は進み、『今一緒になれねば3, 4年先にでも。それが出来ねばあの世でも。』と情婦に結婚を迫ったが、『この世でできないならあの世でもできない』とはねつけられたので、出刃包丁で斬りつけたという興味的な訊問に入れば、陪審員全部もにわかに活気づき、訊問、答弁に注目する。」、「証人が被告との関係について聞かれ、しきりに方言を使ってこれに答える。ところが裁判長にはその方言が判らないのでたびたび聞き直すと、意味の判ってる陪審員たちは裁判長の聞き直すのを不審そうに眺めて微笑みをもらす。」(大阪毎日新聞 昭和3年10月24日夕刊)

「刑事司法」に関連する記事

「逃走罪」は適用されず 量刑に影響か

今日は,「逃走罪」に関する記事です。 S容疑者は勾留手続きを終える前に逃げ出したため刑法の逃走罪は適用されないが、逃走の事実は裁判で不利に働く可能性が高く、逃走の“代償”は負うことになりそうだ。 S容疑者が逃走した7日午後2時16分の時点で、検察は警 ...

READ MORE

被害者参加制度と裁判員裁判

こんにちは。気象庁が関東地方の梅雨入りを発表してからはや一週間。雨が全く降らないですね。予想外の青空と春風に,思わず気分も軽くなってしまいますが,ここまで晴天が続くと,今度は夏の水不足が心配になります。晴天が好きなはずなのに,晴天が続くと「梅雨らしい ...

READ MORE

刑罰と最新科学

【性犯罪前歴者にGPS】― 携帯義務付け 宮城県が条例検討 宮城県は22日,性犯罪の前歴者やドメスティックバイオレンス(DV)の加害者に対して,行動を警察が監視できるように全地球測位システム(GPS)の常時携帯を義務付ける条例設定の検討に入ったことを ...

READ MORE

冤罪根絶めざす市民団体設立へ マイナリさん支援者ら

さて,今日は冤罪についてのお話です。 東京電力女性社員殺害事件で昨年,再審無罪となったネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリさん(46)を支援してきた「無実のゴビンダさんを支える会」(解散)のメンバーらが新たな市民団体「なくせ冤罪!市民評議会」の設 ...

READ MORE

犯人の証拠隠滅に弁護士が協力?

今日は「弁護士と証拠隠滅」について考えてみます。 愛知県警の警部への脅迫事件で逮捕された風俗店「ブルーグループ」の実質経営者S被告=脅迫罪などで公判中=が,別事件で勾留中の2011年夏ごろ,留置施設に接見に来た女性弁護士の携帯電話で,部下のグループ幹 ...

READ MORE
代表弁護士・元特捜検事 中村 勉
中村 勉 代表弁護士・元特捜検事

長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

詳細はこちら
よく読まれている記事
カテゴリー