若き法曹へ

うちの事務所の若い弁護士は、私の事件を通して良く学んで下さい。
刑事弁護士の苦労はどこにあるのか、無実の人を助けるため国家権力と戦うことがどんなにしんどいことか、技術よりもパッションこそが真実に近づく近道であること、私が常に言っている「常在戦場」の意味はどこにあるか(平時に訓練を積まない者は戦時に力を発揮できない)。被告人を守ることを最大使命としつつ、同じ法曹の検事や裁判官に敬意を払った活動とはどういうものか、
私と小島先生の師匠である渥美東洋教授(刑訴法)が、中央大学6号館のゼミ室でこう言い放ちました。
「法律家が一生のうちに巡り会う、世紀の大事件というは、一件か二件。問題は、その大事件に巡り会ったときに、自分がそれに相応しい実力を身につけているかどうかである。その力を身につけるために、日頃から血の滲むような努力と研鑽を積まなければならない。こうして力をつけたが、結局、そういう大事件に一件も出会えず、往生して朽ちても、それはそれでいい人生ではないか!情けないのは、そういう大事件に出会ったときに、力を発揮できない、日頃威張ってばかりいて勉強しない、眉唾弁護士のお馬鹿さんである。」
この言葉を聞いた瞬間、若き紅顔の美少年中村は、全身に電光石火が走ったものです。
すぐ消えましたが…今も微かに線香花火くらいは光ってます。
刑事事件に「つまらない事件」はないです。大疑獄事件も、お惣菜の万引事件も、当事者の不安感と絶望感は同じです。小さな事件だからと言って手を抜かず、全力で弁護することが、その弁護士を成長させます。
肝に銘じて下さい。

「刑事弁護」に関連する記事

被害者参加制度と裁判員裁判

こんにちは。気象庁が関東地方の梅雨入りを発表してからはや一週間。雨が全く降らないですね。予想外の青空と春風に,思わず気分も軽くなってしまいますが,ここまで晴天が続くと,今度は夏の水不足が心配になります。晴天が好きなはずなのに,晴天が続くと「梅雨らしい ...

READ MORE

望ましい検事のあり方

年末に検事正が検事部屋を巡回している。 熱心に仕事をしている新任検事がいた。 検事正は,新任検事に「何をしている。」と聞く。 すると新任検事は「事情聴取の呼出し手続です。」と答える。 すると,検事正は,いきなり 「馬鹿め!」と怒鳴った。 新任検事はな ...

READ MORE

草薙剛さんに公然わいせつ罪は成立しない!?

SMAPの草薙さんが、深夜住宅街で全裸で騒いでいたということで、公然わいせつ罪の現行犯で逮捕されました。外で全裸になり、「裸でなぜ悪い」などと警察官に悪態をついて服を着ようとしなかったのですから、現行犯逮捕されても仕方ありませんね。また、勾留請求をせ ...

READ MORE

被害者匿名の起訴状の是非

今日は「被害者の匿名記載」について考えてみます。 強制わいせつ事件の起訴状で,東京地検が被害児童を保護するため氏名を伏せたところ,東京地裁が記載を命じていたことが13日,関係者への取材で分かった。地検は応じず,地裁と協議しているが,起訴状の不備を理由 ...

READ MORE

のりピー逮捕その2(起訴猶予か?)

所持量は0.008グラムと少なく、使用後の残りに過ぎないと言いますし、尿検査結果も覚せい剤反応が出ないとすると、起訴猶予かもしれませんね。 吸引器のDNAだけでは使用罪を起訴するのは難しいです。 ところで、夫は尿検査結果はどうだったのでしょう?もし覚 ...

READ MORE
代表弁護士・元特捜検事 中村 勉
中村 勉 代表弁護士・元特捜検事

長年検事として刑事事件の捜査公判に携わった経験を有する弁護士と,そのスキルと精神を叩き込まれた優秀な複数の若手弁護士らで構成された刑事事件のブティックファームです。刑事事件に特化し,所内に自前の模擬法廷を備え,情状証人対策等も充実した質の高い刑事弁護サービスを提供します。

詳細はこちら
よく読まれている記事
カテゴリー